抹茶ができるまで

てきさい

摘採

茶園は摘採の20日以上前から寒冷紗で覆われ、日光を和らげながら新芽を育てます。この被覆のタイミングが、抹茶の品質を大きく左右する重要な工程です。

柔らかな新芽に張りが出た頃、職人が一本一本を指で丁寧にしごいて摘み取ります。伝統的な「こき摘み」は、香り高く上質な茶葉を生み出す、日本の手摘み技の象徴です。

そうふう・かしつ

送風・加湿

摘採した生葉をそのまま放置すると、すぐに発酵が始まり、内部に熱がこもります。そのため、生葉の品質劣化を防ぎ、鮮度を保つ目的で、湿度の高い空気を送り込みます。これにより、葉の水分保持と呼吸による発熱の抑制が図られます。

じょうねつ

蒸熱

生葉に含まれる酸化酵素の働きを止め、冴えた緑色を保ちながら覆い香を引き立たせるため、連続式の網胴回転攪拌型蒸機で蒸し上げます。
蒸し時間は通常の煎茶よりも短く、平均で約20秒程度。

※抹茶の色味をより濃く仕上げたい場合は、蒸し時間をやや長めに調整します。

かくはん・れいきゃく

攪拌・冷却

蒸した茶葉を高温のまま放置すると、色や香味が損なわれてしまいます。そのため、蒸熱直後には風力を利用し、冷却用の散茶機(通称「あんどん」)の内部へと茶葉を吹き上げます。茶葉が重なり合わないように拡散させながら冷却し、色調や香りを保ちます。
一般的に、あんどんは高さが5〜7メートルほどあり、長いほど冷却効果が高まります。

あらかんそう・ほんかんそう

荒乾燥・本乾燥

茶葉は約170〜200℃の熱風でおよそ30分間乾燥させます。長さ約10メートルの乾燥機の下部はレンガ造りの火炉になっており、

茶葉は3〜5層のキャタピラ構造の最下段で急速に乾燥されたのち、上部へと吹き上げられ、再び下層へ搬送されながらゆるやかに乾燥されていきます。この工程によって、茶葉にはほどよい加熱香気が生まれ、
香りと味のバランスが整った上質な仕上がりとなります。

つるきり

つる切り

乾燥後の茶葉は、葉の部分はほぼ乾燥していますが、茎の部分は乾きにくく、水分が多く残っています。そのため、つる切り機によって木茎分離を行い、葉部と茎部(葉脈を含み「骨」とも呼ばれる部分)を丁寧に分けます。

さいかんそう

再乾燥

茎や葉脈は水分が多いため、再度乾燥させ、さらに葉と骨を風力で分離させます。

ごう・こんぽう

合・梱包

1ロット分を合場で均一に合組し、大海に入れて出荷します(10~20kg程度)。

※合場(ごうば)
茶葉を合組(ブレンド)する場所の昔の呼び名。

※大海(だいかい)
お茶の取引で、荒茶を入れて運搬する大きな紙の袋。二重になった紙の間にビニールが挟まれています。

いしうすびき

石臼挽き

てん茶は、水分が多い茎・葉脈を取り除いた仕上げ茶の状態の方が保存性が良いとされています。そのため、通常は仕上げ茶で保管し、抹茶として出荷する直前に、温度調整された室内(20度前後、湿度40%以下)で石臼で挽かれ、抹茶がつくられます。